職種紹介

芝原工業の技術職って、どんな仕事?

2026.10.06

芝原工業のものづくりを、現場で担っている技術職。手がけているのは、お客様からいただいた図面をもとに、一枚の板からさまざまな製品をつくる板金加工です。

芝原工業の特徴は、多品種小ロットのものづくり。材質も、板の厚さも、形も、数量も製品によって異なります。同じものを繰り返しつくる大量生産とは違い、その都度、図面を見ながら「この製品をどうつくるか」を考えていきます。

この記事では、未経験で入社したらどこから仕事を覚えていくのか。経験を積むと、どんなことまでできるようになるのか。芝原工業の技術職の仕事と、その成長の過程を紹介します。


①まずは、ものづくりの「つながり」を知る

入社後は、まず約2週間の座学研修から始まります。

安全や5S(整理・整頓・清掃・清潔・躾)、会社のこと、図面の読み方の基礎など、製造現場で働くうえで必要な知識を学びます。その後はOJTへ。加工、仕込み、曲げ、溶接、検査、プログラム、生産管理など、ものづくりに関わる工程を基本的に1カ月ずつ経験していきます。最初から一つの工程だけに配属しないのは、自分の仕事だけではなく、製品がどんな流れでつくられているのかを知ってほしいからです。

例えば「仕込み」では、加工された部品のバリを取るなど、次の工程へ渡すための準備をします。一見すると小さな作業ですが、バリが残ったままだと、後の溶接で部品同士をきれいに合わせることが難しくなります。

「曲げ」では、機械を使って板材に角度をつけていきます。最初は、一度だけ90度に曲げる比較的シンプルな「L曲げ」などから。製品によっては四方向を曲げたり、90度ではない鋭角に加工したりすることもあり、求められる形が複雑になるほど経験が必要になります。

そして「溶接」では、それまでの工程でつくられてきた部品を組み合わせ、一つの製品へ仕上げていきます。

新人のうちは、まず部品を仮止めする「仮付け溶接」や専用の機械で金属同士を接合する「スポット溶接」などの基本作業から担当します。一つの製品を最初から最後まで本溶接できるようになるには、さらに経験を積んでいく必要があります。それぞれの工程を1カ月経験したからといって、技術が完成するわけではありません。
最初に知ってほしいのは、「自分の前には、どんな工程があるのか」「自分がつくったものは、次にどう使われるのか」という、工程のつながりです。


②自分の作業が、次の人の仕事につながっている

板金加工では、一つ前の工程の仕事が、そのまま次の工程のやりやすさや製品の仕上がりに影響します。

「曲げ」の工程では図面に書かれた角度に合わせて曲げることはもちろん大切です。ただ、芝原工業で求めているのは、数字だけを見て作業することではありません。曲げの精度にズレがあれば、溶接するときに部品同士がきれいに合わず、後の工程で調整が必要になることがあります。
だからこそ、「図面に書いてあるから、この精度でつくる」ではなく、「次の人がきれいに組み上げられるように、この精度でつくる」と考える。こうして前後の工程まで見えるようになることで、一つひとつの作業の意味も分かるようになっていきます。

生産の流し方も同様に考えます。例えば、大きな製品を30個つくる指示があったとしても、後の溶接工程で一度に30個を処理するのが難しければ、「10個ずつ3回に分けて流した方がいいのではないか」と考える。指示された作業をそのままこなすのではなく、ものづくり全体がうまく進む方法を考えることも、技術職の仕事の一つです。

芝原工業のものづくりは、一人では完結しません。周囲に相談する。前工程へ確認する。次工程の人へ伝える。技術を覚えることと同時に、周囲と連携しながら一つの製品をつくる力も身につけていきます。


③経験が増えるほど、考えられる範囲が広がる

芝原工業は多品種小ロットのため、形も、材質も、加工方法も違う製品と日々向き合うものづくりをしています。そのたびに過去の経験を組み合わせながら、「今回はどうつくるか」を考えていきます。

数ある工程の中でも核となるのが「溶接」です。溶接には、それまでの加工、仕込み、曲げなどを経てつくられた部品が集まります。そのため、経験を積んだ技術者ほど、前の工程の改善点に気づく事ができるようになります。

ものづくりの基本は、お客様からいただいた図面通りに、正しく製品をつくることです。ただ、経験を積んでいくと、図面を見た時にも気づけることが増えていきます。

「この穴、本当にこの位置でいいのか」
「ここは溶接するより、曲げてつくった方がいいのでは」
「この形だと、実際に加工するのは難しいかもしれない」

図面そのものに間違いがあることもあれば、図面通りでも、もっとつくりやすい方法が見つかることもあります。そんな時、ただ言われた通りにつくるのではなく、図面の意図まで考えることが重要です。理由が分かっていれば、違和感にも気づけます。そして必要であれば、お客様へ「こうした方が、より良くつくれます」と提案することもできます。手を動かす技術だけではなく、製品や加工そのものを理解し、自分で判断できるようになること。そこまで含めて技術を身につけていってほしいと考えています。

こうした判断力はさまざまな製品づくりや失敗、試行錯誤を重ねる中で少しずつ身についていくものです。なので芝原工業の技術習得の中心は、OJTになります。先輩に教わりながら、実際に機械を動かし、自分でつくってみる。うまくいかなければ、「なぜ失敗したのか」を考えて、もう一度やってみる。板金加工には、経験しなければ身につかないことがたくさんあります。

一方で、これまで「見て覚える」「経験して覚える」と伝えてきた技術についても、現在は、数値で示せるものは数値にする、言葉にできるものは言葉にするなど、若手に伝えやすい形へ変えていこうとしています。社内では技能承継の取り組みとして、これまで感覚的に伝えてきた技術を整理し、マニュアルづくりなども進めています。

大切にしているのは、答えを教えることではなく、「なぜ、このやり方なのか」まで伝えること。そして、教える側が「新人は今、何が分かっていないのか」を考えることです。技術を身につけるには時間がかかります。だからこそ、最初からできることを求めるのではなく、実際の仕事を経験しながら、一つずつできることを増やしていきます。

④技術を身につけた先のキャリア

芝原工業で技術を身につけた先の道は、一つではありません。

例えば、溶接や曲げなど一つの工程を深く追求し、「この技術ならこの人」と頼られるスペシャリスト。加工から溶接、検査、組立まで複数の工程に精通し、お客様からいただいた図面を最初から最後まで形にできるジェネラリスト。そして、班長やリーダーとして人材育成や工程管理に携わり、チームのものづくりを支えるマネジメントの道もあります。

仕事を続ける中で、自分は一つの技術を深く極めたいのか。製品全体を見ながら幅広くものづくりに関わりたいのか。人やチームを動かす仕事に興味があるのか。自分の得意なことや興味も、少しずつ見えてきます。最初は、一枚の板を正しく曲げることから。やがて前後の工程が見え、製品全体が見え、「もっと良いつくり方はないか」と考えられるようになる。

さまざまな製品をつくりながら、自分の中に経験を蓄え、ものづくりに携わる人としても成長できる環境です。

「どんな人たちが働いているんだろう」と少しでも興味を持った方は、ぜひ一度、工場を見に来てください。実際の機械や製品、働く人たちの姿を見てもらうのが、芝原工業のものづくりを知る一番の近道だと思います。